時計と靴とコーヒー



2020.06.21


東向きの窓から見えた

赤い屋根 大きな木が

いつの間にかなくなったように

あの思い出も 消えてしまうの?


ねぇ ごめんね

ごめんね


知りたいことはすべて

パパに聞いてた だって

なんでも知ってるような気がした

「時計と靴は良いものを」

それから 朝のコーヒー

わたし、パパが好きみたい



日曜だけど 早起き出来たら

自転車飛ばして あの公園まで

パピコを分けて 乾杯の後は

どんな話をしていたんだっけなぁ


何度も 怒られたこと

今ならすごく分かるの


心配かけてばっかで

パパは わたしが思うより

わたしを大切にしてくれた

そんなあなたが 思うより

わたし パパが好きなの

ずっと憧れているの



小さなドレス おもちゃのティアラ

真面目な顔で 誓った愛は

大人になった今でも

変わってないこと


チャック・ベリーに体を揺らして

またドライブしよう


大きな声で手を叩いて

思い切り笑うとこ

たくさん笑わせてくれるとこ

時計と靴は良いものを

たまに 甘いコーヒー

そんなパパが好きみたい


初恋は

忘れぬものよ